「山形女性医師ネットワーク」のお知らせ

日本医師会「第2回男女共同参画フォーラム」に参加しました

7月29日(土)に大阪府医師会館で開催された日本医師会の「第2回男女共同参画フォーラム」に、事務局が日本医師会員として参加してまいりました。

昨年7月に東京で「第1回男女共同参画フォーラム」が開催され、『女性医師は何を求め、何を求められているか』というパネルディスカッションが行われましたが、今回はそれを受けて、『女性医師バンクに関する諸問題』のパネルディスカッションが行われました。

女性医師バンクの構想は以前ここで取り上げましたが、昨年8月に厚生労働省が提唱したもので、「女性医師がライフステージに応じ、多様な就業形態を通じてキャリア形成していくことができるよう、パートタイム勤務等の職業斡旋事業、女性医師バンクの設立・運営等を委託事業として創設する。」となっています。

日本医師会としては、今年中に「女性医師バンクセンター」を東京・大阪の東西拠点に開設する予定で準備中であることが、日本医師会担当常任理事の羽根田俊氏より報告されました。千葉県医師会女性医師部会長の秋葉則子氏は、県医師会のホームページの中に女性医師部会のページを設置し、さらに「女性医師ドクターバンク」の今年度中の開設を目指して準備中であることを報告されました。また、既に男女を問わず「ドクターバンク」(徳島県医師・歯科医師無料職業紹介所)を平成6年12月1日より開設している徳島県医師会からは、女性医師部会桜井えつ氏が、平成7年~17年度のドクターバンクでの就職成立38件中、女性医師は7件であったことをふまえ、ドクターバンクを休業中の女性医師が利用しやすくするための方策・支援内容の検討が発表されました。

また、日本小児科学会での取り組みについて、日本小児科学会「小児科医のQOLを改善するプロジェクト」および「女性医師の職域での環境改善プロジェクト」委員の大阪大学大学院医学研究科小児科の惠谷ゆり氏が発表されました。小児科医は女性の占める率が31.2%と、医師全体の16.8%の約2倍であり、出産・育児期の休職経験を有する女性医師が多い一方、女性小児科医の未婚率は高いこと、また、週総合労働時間平均値は、小児科医全体で64.4時間、特に大学病院では73.2時間、一般病院でも67.3時間と非常に多いことが示されました。法定の週40時間を越す時間外労働は、小児科医全体でも月100時間を越す計算であり、大変厳しい労働環境であることがわかります。また、各病院では慢性的に小児科医が不足しており、そのためますます厳しい労働環境となっている現況が報告されました。日本小児科学会では、今年4月から「大阪小児科医バンク」として、大阪地区に限定して求人情報のみをホームページに掲載する方式で試験運用を開始し、今までに求人情報が16件登録され、うち1件で雇用が成立していることが報告されました。

国立病院機構大阪医療センター統括診療部長山崎麻美氏からは、国立病院機構近畿ブロックで運用を開始した「ママさん医師登録システム」の紹介があり、現在登録は2名だがマッチングは未成立とのことでした。さらに、山崎氏が勤務する大阪医療センターでの「女性医師の勤務環境改善プロジェクト」の取り組みについて、就労形態の柔軟化(フレックスタイムの導入・専門職パートなど)・復職支援研修コースの設定・育児支援(院内保育所の24時間化・病児保育)・環境整備(院内売店の充実・女性用当直室・宿舎の整備など)が紹介されました。

東京女子医科大学教授の川上順子氏は、女性医師再研修の方策として、専門性の高い再研修を目的とした「女性医師再教育センター」を設置すること、また大学で勤務・研究する女性医師に対しては「女性医学研究者支援室」をつくり、研究支援・保育支援を行うという、東京女子医科大学の取り組みを紹介されました。

女性医師バンクについては、いずれも開設したばかり、あるいは準備中でしたが、先行しているドクターバンクなどを見ると、いかに多くの医師が登録するかが、成功のカギを握っているように思われました。また、単に就職・パートの紹介だけでなく、勤務先での勤務条件の配慮、保育・生活支援の努力が重要であり、また休職後の再研修システムの整備が欠かせないと考えら、これらがあわせて実施されることの必要性を感じました。

男女を問わず、育児・介護・家事の有無にかかわらず、医師全体が過重労働となっている現在、休職中の女性医師に、仕事可能な条件を作って労働資源として参加していただくことが、医師全体としての労働環境の改善につながり、よりよい医療を提供出来るようになると考えます。

山形県のドクターバンクも今年中の開設に向けて着々と準備中とのことです。システムが活用されるように、私たちも協力していきたいと思います。