「山形女性医師ネットワーク」のお知らせ

全国医学部長病院長会議の「女性医師の就労環境に関する実態調査」から

 全国医学部長病院長会議の12月15日の定例記者会見で、全国80大学の病院長を対象に実施した「女性医師の就労環境に関する実態調査」の結果について発表されました。
 この調査は、全国医学部長病院長会議の「女性医師の労働・環境問題に関する検討ワーキンググループ」が実施し、11月に『平成23年度(2011年)女性医師の就労環境に関する実態調査 平23年11月』として取りまとめられたとのことですが、同様の調査は5年前の2006年に行われており、比較すると、育児施設について、「ある」と回答したのは、80大学中71大学(89%)で、2006年の調査では56%であり、この5年間に急速に整備が進んでいるといえます。しかし「24時間保育」や「週7日保育」や「病後児保育」の施設はまだ少なく、更なる育児施設の充実が求められます。
 また、病院長が挙げた、女性医師の病院勤務を中断させないために重要な項目は、「育児施設の充実」(80大学のうち71大学)、次いで「本人のモチベーション持続への支援」(70大学)、「産休・育児休暇取得の保障」(63大学)、「過重勤務環境の緩和」(59大学)、「直属上司の意識改革」(52大学)などでした。
 本人のモチベーション持続には、産休・育休取得の保証、過重勤務環境の緩和、直属の上司の意識改革のほか、受け身的な支援の要求のみでなく、本人自身の意識改革が伴わなくてはならないとの指摘があり、その意識改革の一助となる「医学部教育におけるキャリア教育」については、80大学中65大学の病院長が「必要」と回答しています。

 主な結果は以下のとおりです。詳しくは、全国医学部長病院長会議の定例記者会見のページの「平成23年度第11回」の資料、2、2-1、~2-17をご参照ください。アンケート調査用紙の内容はこちら(PDF)から。

◆育児施設
・育児施設が「ある」と回答したのは、80大学中71大学(89%)、「ない」7大学(8%)、「今後設立の予定」2大学(3%)。2006年の同調査では、「ある」56%、「ない」24%、「今後設立の予定」20%だった。
・21時超まで延長できるのは、71大学中19大学(うち23時間超は5大学)。
・24時間保育の実施は、71大学中32大学。うち、「週1回」12大学、「週2-4回」16大学、「週5回」1大学、「週6、7回」の実施は3大学、
・病児後保育を実施する施設が、「院内にある」のは71大学中21大学。

◆勤務体制
・女性医師の就労継続支援を目的とした勤務制度が、「ある」のは80大学中75大学。
・最も多いのは、「短時間正規雇用制度(常勤)」で75大学中52大学、以下、「勤務時間の短縮(非常勤)」39大学、「時間外勤務の免除」37大学、「当直免除」26大学、「日直免除」23大学など。
・就労継続支援制度が、「育児・介護等に利用できる」のは75大学中47大学、「男性も利用できる」のは66大学。

◆医師の過重勤務緩和としての複数主治医制の導入
・「賛成」は80大学中60大学と最も多く、「反対」は1大学、「どちらでもない」は19大学。


このような結果ですが、この中で、『女性医師の病院勤務を中断させないために重要な項目』の回答の選択肢に、「産休・育児休暇取得の保障」という言葉があることに、ひっかかりを感じるという、当ネットワーク会員の指摘がありました。以下は、その指摘内容です。

 「産休・育休取得の保証」とありますが、少なくとも産休については取得の保障ではなく、労働者としての権利であり、事業者は与えなければいけない義務があるものです。産休を育休と同列に捉えていること事態が「深刻」な状況ではないかと思った次第です。少なくとも、山形ではこのようなことがないよう私たちが目を光らせる必要があるのではないでしょうか?