「山形女性医師ネットワーク」のお知らせ

山形県医師会主催「女子医学生・女性医師をサポートするためのシンポジウム」が開催されました

以前御案内しましたように、11月26日(土)15:00~17:30に、山形県医師会主催の今年度の「女子医学生・女性医師をサポートするためのシンポジウム」が、山形大学医学部講堂で開催されました。

山形県医師会主催「女性医師をサポートするためのシンポジウム」は、2008年11月の第1回、2010年1月の第2回(テーマ「子育てのための勤務体制と保育」)、2011年2月の第3回「志田周子先生 生誕100周年記念特集」に続き4回目になります。昨年度・一昨年度に続き、今回のシンポジウムについても、山形女性医師ネットワークが企画の段階から参加させていただきました。

今回は、今年7月の日本医師会主催第7回男女共同参画フォーラムでご発表された、秋田大学医学部総合地域医療推進学講座 蓮沼直子先生に、「秋田大学医学部の男女共同参画、キャリア形成教育の取り組み ~医学生が夢と希望、意欲を持って社会にはばたいていくために~」と題して特別講演をいただいたあと、山形での取り組み・現況についていろいろな立場から発表がありました。
山形大学大学院医学系研究科高次脳機能障害学講座の鈴木匡子教授からは、山形大学医学部の女性医師支援の取り組みについて、山形大学全体の「女性研究者支援プロプラム」の一環として、短時間勤務制度(短時医員(非常勤)・短時助教(常勤))、女性研究者の仕事の事務的な支援などをしてくれる研究継続支援員制度、中断してしまった専門研修などの支援をする高度医療人研修センター、今年10月に開催された医学部女子学生と女性研究者の交流セミナーなどの紹介がありました。
山形県の取り組みについては、山形県健康福祉部地域医療対策課 医師・看護師確保対策室 室長補佐より、2009年1-2月に県内病院の女性医師支援策のアンケート調査を行い山形県HPに掲載しているほか、山形県医師会に委託しているドクターバンク、山形女性医師ネットワークに委託している医学生・研修医との集いの紹介、また、県立病院では短時間勤務常勤制度も導入していることなどが紹介されました。山形女性医師ネットワークの活動については、当ネットワークの会長より、医学生・研修医との集い、サマーパーティーなど、医学生と医師との交流を行うほか、県内保育所の調査(2006年)やキャリアカウンセリングなど今までの活動について報告しました。
また、山形大学医学部呼吸器内科で勤務する女性医師からは、妊娠出産・育児休業を経て、子育てと医師を両立させている実体験の紹介があり、とくにシッターさんが重要なことと、山形大医学部ではまだ実現していない病児保育の必要性が話されました。また、医師を妻に持つ男性同僚・先輩医師が、子育ての大変さを理解してくれていてサポートしてくれるということも紹介されました。
山形大学医学部医学科4年生の女子学生2人からは、医学科1年生と4年生に行ったアンケート結果を元に、1年生ではまだ医師としての将来や結婚などについて具体的にイメージできていないが、4年生になるとかなり現実的に考えてくることが紹介され、また、先輩医師には、専門科目をどうやって決めるか、留学の時期・やり方、結婚の時期、子育てしやすい科は、などを聞きたいこと、医学部教育には地域医療や介護の現場などを実体験することも取り入れて欲しいなどの要望が出されました。

総合討論では、短時間勤務制度について、山形大でも秋田大でも、非常勤の短時医員は活用されているが、常勤の短時助教は使われていないことがピックアップされ、そもそも大学医学部では常勤の人事枠が少ないため、実際の勤務時間が減ってしまう短時助教に常勤枠を使い難いことが指摘されました。また、短時医員では、時給のため収入も少なくなり、収入を補うため地域医療など非常勤の仕事をすればまた忙しくなるというジレンマがあるほか、専門医になるための研修期間としては割引にしかカウントされないなどの問題があり、可能ならば、短時間勤務の制度を利用せずに、当直免除などの配慮をして常勤に復帰するのが望ましいと意見が出ました。
また、蓮沼先生からは、女性医師の増加に伴い、蓮沼先生の専門である皮膚科では、若い世代の7割が女性医師であり、かつての少数派の女性医師を多数の男性医師がサポートするという形から、女性医師が女性医師をサポートする時代となってきていることがあげられ、サポートする男女医師が代休を取りやすくする・学会に参加しやすくするなどの配慮が支援をうまく進めていく上に重要であると指摘がありました。
また、病児保育に関しては、会場で参加されていた山形大学医学部附属病院の久保田功院長から、「病児保育をやります!」とのうれしいお言葉がいただけました。
今回のシンポジウムでは、山形県・山形県医師会・山形大学医学部・そして山形女性医師ネットワークがそれぞれの行っていることを互いに確認したことは大変有意義だったと思います。山形大学医学部の取り組みを、山形大学医学部の学生が十分に知ってはいないという現実もあり、できれば男女共同参画・キャリア形成について、山形大学医学部でも講義の形で知らせる機会が実現すれば、と考えます。

参加者は約30人で、学生の参加は数名で人数は少なかったですが、実りのあるシンポジウムであったと思います。