「山形女性医師ネットワーク」のお知らせ

「第8回山形女性医師ネットワーク:医学生・研修医との集い」を開催しました

かねてから御案内いたしましたとおり、本日3月13日17:00から、「第8回山形女性医師ネットワーク:医学生・研修医との集い」を、山形グランドホテルにて開催しました。今回のシンポジウムは、「平成20年度山形県委託事業 女性医師サポート事業」のうち「女性医師と女子医学生等のつどい」事業にて開催いたしました。
出席者は24名で、御来賓の山形県知事吉村美栄子様、山形大医学部医学科の3年・4年の学生11名(女性10名・男性1名)、歯学部学生(女性)1名、会員医師5名、会員以外の男性医師2名、特別講演講師の女性医師1名、山形県健康福祉部より2名、その他1名が参加しました。

御来賓の吉村美栄子山形県知事から、山形県内の女性医師へのサポート事業を、県としてさらに推進していくという御祝辞をいただいたあと、日本リハビリテーション医学会 専門医会リハビリテ-ション科女性専門医ネットワーク(RJN)委員会 委員長の藤谷順子先生から「首都圏の一病院での研修事情」と「リハビリテーション科専門医:一生続けられる選択肢」と題した特別講演をいただきました。

まず、首都圏での研修事情について、藤谷先生の勤務先の国立国際医療センター戸山病院を中心にお話いただきました。国立国際医療センター戸山病院は、本邦での医療分野における国際貢献の拠点になるべく、第4のナショナルセンターとして創設された病院で、従来のナショナルセンターのように疾患別の専門医療・研究施設ではなく、医療分野における研修・派遣・研究等が総合的に可能な高度専門医療センターの形態をとっているのが特徴です。780床、28診療科、医師数約370名で、臨床研修医86名のうち女性は50%と多く、フェロー(後期研修医)も150名。昭和時代から独立した研修医制度を行っていることで有名です。各診療科の垣根が低く、チーム医療の推進と、患者全体を診る医療の提供を特色としているとのことです。
研修コースは、「総合診療・救急コース」(外科系総合診療(救急)と内科系総合診療がある)、「内科系コース」(循環器・消化器・呼吸器+内科系選択を中心に、臨床研修必修の各科を研修)、「外科系コース」(臨床研修必修科目以外は、外科系を選択ローテーション)、「産婦人科コース」、「小児科コース」から選択できるとのことでした。2年間の研修を終えた後は、3年間のフェロー(オプションとして、国際協力研修・奄美ハンセン施設・臨床研究コースもある)を経て、常勤医として残ったり、国内外の病院に移るなどさまざまとのことです。山形大学医学部平成20年卒の研修医2名(女性)と山形大学医学部平成13年卒の救急科医師(男性)へのインタビューもあり、大変興味深かったです。

続いて、「リハビリテーション科専門医:一生続けられる選択肢」と題して、リハビリテーション専門医の仕事内容の紹介がありました。リハビリテーション科専門医とは、病気や外傷の結果生じる障害を医学的に診断治療し、機能回復と社会復帰を総合的に提供することを専門とする医師であり、患者さんの助けとなるためには、障害の構造的把握、対象症例群の病態と治療に関する知識、治療資源の動員・調整能力、心理的サポートできる知識と洞察力と言葉選びが必要とのことです。
リハビリテーション専門医を表現するキーフレーズ「リハビリテーション科医は 医療の基本に忠実である」(「病気を診ずして人を診る」を実践している。疾病もできるだけ治そうとし、たとえ疾病が治らなくても機能障害を、並行してADLを、さらには環境を何とかしてしまおうと粘る。「医学」の既存枠にとらわれずに必要なことを考えられる。主疾患ばかりでなく、他疾患のコントロール、予防、早期発見と適切なコンサルテーション、と総合的な臨床医でもある。)「リハビリテーション医療は 患者さんに対して開かれた医療である」(治療方針、ゴール、治療期間、介護の場所、介護方法など、患者さん家族と話し合いながら進めている。(Shared decision making)患者さんとパーソナルな、かつ、プロフェッショナルなコミュニケーションをとることができる。)「リハビリテーション科医は正直である」(障害が残る、ということを患者さんに話すのはリハビリテーション科医である。もちろん、それは落ち込ませるためではなく、事実を認識して、主体的に対処方法と解決能力を身につける第1歩である。)「リハビリテーション科医は チームを作ることができる」(多くの専門職種の力を集めて、患者さん個人の治療のみならず、システム自体を良くし、社会を良くすることに貢献できる。)「多彩なサブスペシャリティと選択肢」(対象病態として運動機能(骨・筋肉・神経・脳),高次脳機能、感覚障害、排泄障害、性機能障害、嚥下障害、社会復帰障害、呼吸機能障害,循環機能障害,腎機能障害,免疫賦活,代謝症候群など、興味深いテーマが山積している。能力と性格・希望に応じて、大学、研究機関、病院、開業、公的施設、行政、教育機関、と働き場所を切り開くチャンスがあり、「医」の枠に留まる必要もない。常勤が望まれる一方で、週1、月1が必要とされるコンサルテーションの場もまた多い。)「家庭生活や人生の経験が 仕事の上でもプラスに働く」(育児・介護により、いわゆる「仕事」をしている時間が短くても、そこでの人生経験が、患者と家族の置かれている状況を洞察し、適切な対応をするうえでプラスになる。)が紹介され、リハビリテーション専門医が、いかに魅力的で必要とされているかが分かりやすく説明されました。
山形県内・東北地方のリハ研修指定病院も紹介されました。リハビリテーションの意義、全人的な医療のまさに原点であることがよく理解できて、非常に有意義な講演でした。

その後の懇親会では、シャンパン・赤白ワイン・イタリアン料理をいただきながら、和やかな雰囲気の中で、出席者全員が自己紹介の1分間スピーチを行ったあと、学生さんからの質問がありました。「学生時代にしておくべきこと・しておきたいこと」、「専門分野を選択した理由」などについて、出席医師が医師が自分の体験などを元に答えたりと、楽しく意見交換・交流ができました。

今後も、このような集いを年に一回は開催していきたいと思っております。
御参加の皆様、本当にありがとうございました。