「山形女性医師ネットワーク」のお知らせ

山形県医師会主催の「女性医師をサポートするためのシンポジウム」 テーマ「子育てのための勤務体制と保育」の報告

昨年度2008年11月に引き続き、本日1月16日(土)15時00分から、山形県医師会主催の「女性医師をサポートするためのシンポジウム」 テーマ「子育てのための勤務体制と保育」が、山形市の山形国際ホテルにて開催されました。
シンポジウム司会は、山形県医師会常任理事 山形県立中央病院脳外科の武田憲夫先生と、山形女性医師ネットワーク会長が行いました。シンポジストとして、当ネットワーク会員の女性医師4人と、病院長・病院管理者の立場から、山形県立中央病院院長で病院協議会会長の小田隆晴先生、山形大学大学院医学研究科高次脳機能障害学講座教授の鈴木匡子先生、篠田総合病院副院長の篠田淳男先生、山形県健康福祉部健康福祉企画課医師確保対策主査、山形県医師会常任理事の佐藤泰司先生が発表を行いました。

女性医師4人は、それぞれの子育て体験からの意見を述べました。村山地区の女性勤務医は、病児保育の必要性、小学校入学後は学童保育の時間が短く就学前より大変になる問題、育児休暇明けのプランクのサポート体制の重要性を話しました。村山地区の別の女性勤務医は、首都圏での子育て体験を含めた体験を話し、子育てには実家や友人などのinformalな支援が不可欠であり、女性医師にとって卒業大学に残るより実家近くの病院に勤務するほうが有利であることが多いこと、山形県への女性医師定着を図るなら、実家に匹敵する支援環境を整える必要があることを強調しました。庄内地区の女性開業医は、庄内地区の女性医師75名(うち病院勤務医45名・施設4名・開業医26名)に対してアンケート調査を行った結果を発表し、子育ての支援には、時間外勤務対策より定時勤務終了が、病児保育よりは病時休暇がより望ましいという意見を述べました。置賜地区の女性勤務医は、女性医師が仕事や生活の悩みを相談できる「メンター」の重要性を述べました。

山形県立中央病院院長の小田隆晴先生は、県立中央病院の医師152人中29人が女性医師であり、初期研修医の24%、後期研修医の32%が女性であるのに対し、医長・部長の女性の比率は10%くらいと少ないこと、子育て中の女性医師への支援策だけでなく医師全体の過重労働を減らすためにも主治医のチーム制が重要であるが、診療科によっては導入が難しいことなどを含め、病院の支援策を紹介しました。山形大学医学部の鈴木匡子教授は、山形大学医学部で導入された「短時医員」制度について紹介しました。週30時間以内の勤務で時給制(1400円/時)のため収入は月16万円余であるが、当直はなく、現在勤務している11人のほとんどが女性であること、ただし、実際には週30時間以上勤務していることが多く問題であることが述べられました。また、全学で今年度から女性研究者育成支援のために開始された「山形大学男女共同参画事業」についても紹介されました。篠田総合病院副院長の篠田淳男先生は、同病院の医師26人中6名が女性医師であり、全員が子育て中で、うち5名は「一人医長」であるため、大学医局などからの応援などを受け支援していること、子育て中の女性医師は、時間外は電話相談のみとし、当直は免除とすること、院内保育所は7時30分から25時までで病児保育も行っていることを紹介されました。また、今後は、子育て中の女性医師の応援に各病院が協力して「医師プール」をつくりコーディネーターが調整するという案を提示されました。

山形県からは、健康福祉部健康福祉企画課医師確保対策主査が、山形県の女性医師支援策として行っている委託事業、山形女性医師ネットワークの「医学生・研修医との集い」山形県ドクターバンク(山形県医師会に委託)、県内子育て・介護情報相談窓口の紹介をされました。また、2009年2月に山形県が県内各病院に対して行った、「県内病院における女性医師への支援状況等についてのアンケート調査」の結果を県ホームページに公表していることも紹介されました。

山形県医師会常任理事の佐藤泰司先生は、子育て中の女性医師のさまざまな問題の元には、勤務医全体の過重労働の問題があり、その解消がぜひとも必要であること、長時間の勤務・休日の出勤などを「美徳」と考えるような医師の働き方を改革していくことが必要だと話されました。

そのあとの総合討論では、シンポジストや一般参加者を含めて、子育て時期が終わった女性医師が通常勤務へうまく復帰していくことへの支援の重要性や、院内保育所への国・県の補助が私立の病院に限られ、公立病院では補助が受けられないため、公立病院へも別な形での行政の支援が求められることなどが話されました。また、育児休業から復帰した女性研修医や、育児休業から大学院へ入学し、研究に復帰した女性医師からの発言もあって、大変有意義な討論となりました。子育て中の女性医師を含め、すべての医師の労働環境を改善するため、それぞれが可能な改善差実行していくことを確認して、シンポジウムが終了しました。
参加者は約30名でほぼ半数が女性医師、あとは病院管理者等の男性医師等で、病院の管理課職員の参加もありました。