「山形女性医師ネットワーク」のお知らせ

日本医師会が「女性医師バンク運用状況」と「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」について報告

4月9日の日本医師会の定例記者会見において、「女性医師バンク運用状況」ならびに「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」が公表されました。

内容は、日本医師会の定例記者会見のページに掲載されておりますが、
 記者会見の模様
 日本医師会女性医師バンク運用状況(平成21年3月31日現在)について(pdf)
 女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書(pdf)  です。

記者会見では、昨年11月の山形県医師会主催の「女性医師をサポートするためのシンポジウム」にもいらっしゃった、日本医師会常任理事の今村定臣先生が発表を行われました。

日本医師会女性医師バンクについては、以前(2007年4月2007年8月)にも取り上げましたが、日本医師会が厚生労働省からの委託を受けた「医師再就職支援事業」の一環として2007年1月から運営しているものです。2009年3月31日現在の登録状況は、求職登録者数308人(延べ442人)、求人登録施設数991施設(延べ1110施設)、求人登録数1301件(延べ2534件)。また、就業実績は141件(内訳:就業成立128件、再研修紹介13件)となったとのことです。 今村理事は、「設立時点においては、この仕組みが本当に機能するかどうかを非常に危惧していが、現在も着実に登録、就業実績が増加している。また、利用者の医師会会員・非会員の割合を見ると、求職者の約6割が非会員であり、広く周知・利用されつつあるということと評価している」とコメントされたとのことです。

また、女性医師の勤務環境の現況に関する調査は、2008年12月-2009年1月に、国内の全病院(約8,900施設)に依頼し、病院に勤務する女性医師に調査票を配布し、女性医師から無記名で回答をもらった。病院から、調査票を配布した部数をハガキで連絡もらった配布数は15,010件であった。回収数は7,497であり、回収率は49.9%であった。回答者の半数以上が非会員であり、年齢別には40歳未満が66.3%を占めていた。回答者の年齢別内訳は、30歳代が48.3%と約半数を占め、次いで40歳代が2割強、29歳以下が2割弱。また、既婚者が54.6%、未婚者39.1%、離婚5.6%、死別が0.7%だった。 専門科目は、内科30.7%が最も多く、ついで小児科10.4%、産婦人科7.3%、麻酔科7.3%、精神科6.9%、眼科6.2%、皮膚科6.0%であった。

結果は、膨大なデータとなっていますが、主なところでは、
女性医師の悩み(複数回答)としては、「家事と仕事の両立」が最も多く64.1%。次いで「プライベートな時間がない」44.6%、「勉強する時間が少ない」43.8%と、時間不足に関する悩みが目立った。

仕事と家庭生活の両立を支えるための労働環境や規則については、40.2%が「整備されていない」と回答した。回答者の8割は常勤医師であり、7割が時間外勤務を行っている。1週間の勤務時間は、契約では「51時間以上」は3.2%に過ぎないが、実勤務時間では45.4%だった。また、約85%が宿直翌日も通常勤務についている。

休職・離職については、複数回答となっているため、実数がはっきり示されていないが、複数回答の理由数は2931であり、出産(70.0%)、育児(38.3%)が多く挙げられたが、自分の病気療養(10.8%)や、夫の転勤(10.8%)、留学(10.3%)、家族の病気や介護(3.3%)などもあった。産前・産後休暇の取得は約8割、育児休業の取得は4割にとどまっている。育児中に希望した働き方は、業務内容軽減(46.6%)、時間短縮勤務(38.3%)などが多かったが、実際には変わりなく通常勤務をしている医師が38.5%だった。

今村氏は、「女性医師が産休・育休の取得を希望しない背景には、他の医師に迷惑がかかるということのほかに、自分自身のキャリア継続の観点、なるべく早く職場復帰したいという意識もある。職場環境を整え、キャリアアップを支えていく仕組みを考えていかなければならない」と述べられました。

このような調査の結果がきちんと分析され、女性医師、そしてすべての医師の勤務環境改善につながるように願っています。