「山形女性医師ネットワーク」のお知らせ

山形県女性医師支援ステーションが開設されました

9月7日に、山形県女性医師支援ステーション (YJISS)が開設されました。これは、女性医師・女子医学生の支援のために山形県が開設したポータルサイトで、業務は山形県医師会に委託されています。

相談窓口では、女性医師・女子医学生からの相談に対応する専門の相談員を配置して、電話・FAX、およびメールで相談を受けるとのことです。また、育児介護就業・復職情報などの情報が掲載されており、さらに、登録者同士が情報交換ができる交流掲示版が設置されています。
リンクのページに、当ネットワークのHPも掲載していただきました。

山形県女性医師支援ステーションが十分に活用されることを期待しています。

今春の日本内科学会年次講演会で男女共同参画企画公開シンポジウムが開催されました

春は各医学会の学術集会のシーズンの1つですが、今年4月12日~14日に東京で行われた第110回日本内科学会講演会で、日本内科学会としては初めて、男女共同参画に関する公開シンポジウムが開催されましたので、出席して参りました。

シンポジウムは、Born Female: A Disadvantage from Birth?「女性に生まれると、生涯不利なのか?」と題して、海外から2人の女性を招き、国内の大学医学部で教授・教官として活躍する3人の女性医師もシンポジストとして加わり、国内の大学医学部の女性教授2人(1人はシンポジスト兼)が座長をつとめられました。約500人以上が出席し、ざっと8割以上が女性でした。

まず、基調講演として、UN Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関) 戦略パートナーシップ部 部長のKristin Hetle氏が、日本の男女共同参画の現況と解決すべき問題点について講演されました。彼女は、ノルウェー国籍で、コミュニケーション戦略やメディア研修の企業のCEO、ノルウェー労働省の広報責任者、国連人口基金(UNFPA)の報道サービス部長などをつとめ、現在はUN Womenで、経済界への働きかけや、市民社会との交流を監督されているとのことです。ノルウェーをはじめとした北欧では、クオータ制(割り当て制)で政治界から女性の任用が促進され、それが社会の活性化をもたらしていることを説明されました。日本は、政治・経済活動の指導的立場についている女性の割合が非常に少なく、2012年10月のスイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」の発表では、日本における男女格差は、世界135ヵ国中101位と非常に大きく遅れていることが紹介され、ぜひクオータ制の導入を図るべきだと提言されました。

次に、南アフリカ出身の医師で、その後アメリカ合衆国で小児内分泌・糖尿病の研究を行い、現在はピッツバーグ医科大学小児病学科教授のDorothy J. Becker氏が、自らの体験を発表し、南アフリカでは、女性医師が非常に少なく、医師になる教育を受けるのも大変であったこと、アメリカに来てみると男女機会平等ですっかり違っていではじめはびっくりしたが、それでも、現実には男女間の格差がないとは言えないことなどをお話しされました。Becker先生は、女性も男性も、まず、医師として・研究者としてベストを尽くすこと、そこから自身の向上を図っていくことが大切だと、motivationを保持することの重要さを強調されました。また、クオータ制については、「もし私が、女性だから教授にしてあげるといわれても、それはnoだ。自分自身の力が評価されて、教授になることで価値がある」と話されました。

女性にあらかじめ一定の割合のポストを割り当てるクオータ制。政治の世界では世界的にかなり行われいて、女性議員の割合の増加には非常に有用なことがわかっています。日本でも、「2030運動」として、2030年までに意思決定機関の30%に女性が任用されることを、政府が主導して、政治・経済の各界に働きかけています。日本循環器学会も2012年から各地区評議員定数の10%を女性に割り当て、また今年3月に横浜で開催された第77回日本循環器学会では、座長の8%が女性となり、それまでの約3%からかなり増加しました。議員や学会役員などに女性が任用されるよう推進するのには、クオータ制は大変有用と考えられます。また、専門医の取得に必要な、専門医研修病院への採用が、男性優先・男性独占にならないよう、女性レジデントのクオータ制があるのが望ましい、と筆者は考えます。
ただ、教授やCEOなど、「オンリーワン」のポストは、割り当てではなく、そのポストにふさわしい人がなるもので、クオータ制には不向きであり、むしろ、男女を問わず、機会が均等に与えられることが適切ではないかと、考えるのでした。

日本の各大学医学部で教授・教官として活躍されているシンポジストの各女性医師は、大変生き生きとはつらつとされていて、「Born Female: A Disadvantage from Birth?」という言葉には全く当てはまらないという印象で、むしろそれが一番うれしく、頼もしく思われました。少なくとも、シンポジストの各先生には、機会均等などが実現されているが、一般の女性医師ではそこまで恵まれていない人が少なくはなく、それがこれからの解決すべき点であろうと思われます。日本における女性医師の現実問題は、国連レベルでの全世界に対する男女共同参画運動とは共通するところもあるものの、違う側面も多々あり、自分たちの問題を自ら解析し解決していくプロセスが大事なのだとあらためて感じました。

第110回日本内科学会講演会では、このシンポジウムの他に、専門医部会主催女性医師支援ワークショップとして、ワークショップ「女性内科医が生き生きとワーク・ライフ・バランスを保ちながら仕事を続け社会に貢献するための提言」が開催され、また、展示スペースで、ブース展示「女性医師に関するワーキング活動」と復職支援相談窓口が開設されました。

また、前述の3月15日-17日に開催された第77回日本循環器学会学術集会では、シンポジウム15 離職リスクを避けるための課題と解決法、委員会セッション10 第3回男女共同参画委員会セッションが開催されました。

全国医学部長病院長会議の「女性医師の就労環境に関する実態調査」から

 全国医学部長病院長会議の12月15日の定例記者会見で、全国80大学の病院長を対象に実施した「女性医師の就労環境に関する実態調査」の結果について発表されました。
 この調査は、全国医学部長病院長会議の「女性医師の労働・環境問題に関する検討ワーキンググループ」が実施し、11月に『平成23年度(2011年)女性医師の就労環境に関する実態調査 平23年11月』として取りまとめられたとのことですが、同様の調査は5年前の2006年に行われており、比較すると、育児施設について、「ある」と回答したのは、80大学中71大学(89%)で、2006年の調査では56%であり、この5年間に急速に整備が進んでいるといえます。しかし「24時間保育」や「週7日保育」や「病後児保育」の施設はまだ少なく、更なる育児施設の充実が求められます。
 また、病院長が挙げた、女性医師の病院勤務を中断させないために重要な項目は、「育児施設の充実」(80大学のうち71大学)、次いで「本人のモチベーション持続への支援」(70大学)、「産休・育児休暇取得の保障」(63大学)、「過重勤務環境の緩和」(59大学)、「直属上司の意識改革」(52大学)などでした。
 本人のモチベーション持続には、産休・育休取得の保証、過重勤務環境の緩和、直属の上司の意識改革のほか、受け身的な支援の要求のみでなく、本人自身の意識改革が伴わなくてはならないとの指摘があり、その意識改革の一助となる「医学部教育におけるキャリア教育」については、80大学中65大学の病院長が「必要」と回答しています。

 主な結果は以下のとおりです。詳しくは、全国医学部長病院長会議の定例記者会見のページの「平成23年度第11回」の資料、2、2-1、~2-17をご参照ください。アンケート調査用紙の内容はこちら(PDF)から。

◆育児施設
・育児施設が「ある」と回答したのは、80大学中71大学(89%)、「ない」7大学(8%)、「今後設立の予定」2大学(3%)。2006年の同調査では、「ある」56%、「ない」24%、「今後設立の予定」20%だった。
・21時超まで延長できるのは、71大学中19大学(うち23時間超は5大学)。
・24時間保育の実施は、71大学中32大学。うち、「週1回」12大学、「週2-4回」16大学、「週5回」1大学、「週6、7回」の実施は3大学、
・病児後保育を実施する施設が、「院内にある」のは71大学中21大学。

◆勤務体制
・女性医師の就労継続支援を目的とした勤務制度が、「ある」のは80大学中75大学。
・最も多いのは、「短時間正規雇用制度(常勤)」で75大学中52大学、以下、「勤務時間の短縮(非常勤)」39大学、「時間外勤務の免除」37大学、「当直免除」26大学、「日直免除」23大学など。
・就労継続支援制度が、「育児・介護等に利用できる」のは75大学中47大学、「男性も利用できる」のは66大学。

◆医師の過重勤務緩和としての複数主治医制の導入
・「賛成」は80大学中60大学と最も多く、「反対」は1大学、「どちらでもない」は19大学。


このような結果ですが、この中で、『女性医師の病院勤務を中断させないために重要な項目』の回答の選択肢に、「産休・育児休暇取得の保障」という言葉があることに、ひっかかりを感じるという、当ネットワーク会員の指摘がありました。以下は、その指摘内容です。

 「産休・育休取得の保証」とありますが、少なくとも産休については取得の保障ではなく、労働者としての権利であり、事業者は与えなければいけない義務があるものです。産休を育休と同列に捉えていること事態が「深刻」な状況ではないかと思った次第です。少なくとも、山形ではこのようなことがないよう私たちが目を光らせる必要があるのではないでしょうか?

日本循環器学会男女共同参画委員会の女性会員に対するアンケート調査の結果が発表になりました

日本循環器学会では、2010年6月に男女共同参画委員会が発足し、循環器学分野における男女共同参画の推進を図り、男女共同参画の視点に立った教育・研究・就業体制を確立することを目的として活動開始しました。

このたび、2010年8月に実施した、日本循環器学会の女性会員を対象とした「日本循環器学会の女性会員に対するアンケート調査」の結果がまとまり、HPに掲載されました。一般にも公開されていますので、ぜひ御覧になってください。

アンケート送付数は2,651件、回答数は843件で、回答率は31.8%でした。
回答者の年齢は、20台5.4%、30台43.0%、40台34.7%、50台11.8%、60台3.8%、70歳以上1.1%でした。循環器専門医が50.2%、取得準備中が18.3%、専門医取得の予定なし27.0%、医師以外4.2%(循環器の基礎研究などをしている医師以外の会員もいる)でした。現在配偶者がいるのは63.7%、子供がいるのは53.5%で、仕事に関しては、常勤職74.3%、非常勤職23.4%、休職中4.6%、出産休暇中2.4%、育児休暇中1.4%、介護休職中0.1%、退職0.6%となっていました。
職場に保育園あるいは託児所があるのが44.7%、職場には子育て中の短時間勤務などの柔軟な勤務形態があるのが36.0%でした。 そのほかいろいろな内容が載っていますので、詳細は日本循環器学会の男女共同参画委員会のページをぜひ御覧下さい。

筆者の印象では、この回答者は比較的条件的に恵まれているように思えました。恵まれているからこそ、循環器医として勤務継続できているのかもしれません。また、回答率が低いので、実際はもっと厳しい条件かもしれません。

済生会山形済生病院で「病児保育」開設へ

「病児・病後児保育」については、子育てに欠かせないものとして、このHPでも以前取り上げ、また、2010年3月20日に山形県子ども政策室子育て支援課の主催で開催された「病児・病後児保育事業に関する勉強会」についても報告いたしました。

このたび、2011年2月16日の山形新聞朝刊、および山形新聞ニュースで、山形市にある、済生会山形済生病院が、山形市の委託事業として、病院敷地内で「病児保育」を今年6月に開設することが、報道されました。

山形市沖町の山形済生病院が2011年度、病気の回復期に至っていない幼児を預かる「病児保育」を山形市の委託事業として始めるとのことです。病院敷地内にある病児保育施設は、県内では鶴岡市の三井病院の施設に続き2例目となり、6月の開所を目指しているとのことです。

済生病院の病児保育施設は、病院に隣接する看護師の宿舎を改築して開設し、保育士と看護師が常駐、定員は未就学児3人で、保護者が支払う利用料は1日2000円。同病院以外の医療機関で診察を受けた児童も受け入れるとのことです。

以下、2011年2月16日の山形新聞ニュースを、山形新聞社の許可を得て転載いたします。
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「病児保育」を山形済生病院に委託 
山形市、敷地内施設は県内2例目

2011年02月16日 15:40

 山形市沖町の山形済生病院(浜崎允院長)は2011年度、病気の回復期に至っていない幼児を預かる「病児保育」を市の委託事業として始める。病院敷地内にある病児保育施設は、県内では鶴岡市の三井病院の施設に続き2例目となる。6月の開所を目指している。

 山形市内では初の病児保育施設。県子育て支援課によると、昨年10月1日現在、県内には病児保育施設が鶴岡市と三川町の計2カ所、病気の回復期にある幼児を受け入れる病後児保育施設は山形、天童、新庄、南陽、酒田の各市の計5カ所ある。ほとんどが保育園や子育て支援施設に設けられており、その保育園・施設を利用していない保護者が足を運びにくかったり、受診後に別の場所に移動しなければならない状況にある。病院敷地内の施設は、診察後すぐに預けることができる利便性と、迅速に診療を受けられる安心感がある。

 済生病院の病児保育施設は、病院に隣接する看護師の宿舎を改築して開設。保育士と看護師が常駐する。現在の計画では、定員は未就学児3人で、保護者が支払う利用料は1日2000円。同病院以外の医療機関で診察を受けた児童も受け入れる。市は、病児保育事業として1615万円を新年度予算案に計上した。施設整備には、国の安心こども基金を活用する。
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